「まっすぐ生きる」ヘブル12:1-14

 信仰に生きること、それはいのちを与えたもう神の愛への応答です。そして、その競争は罪と戦い、罪を捨てること。そのためには信仰の創始者であり完成者であるイエスから目を離さないことを学びました。それに続いて考えたいのは「まっすぐ生きる」ことです。ヘブル書はユダヤ人キリスト者に向けられた手紙です。彼らは旧約聖書の背景を持っています。すぐに連想させられるのは、「強くあれ。雄々しくあれ。…右にも左にもそれてはならない。」(ヨシュア1:7)のことばです。
 これはいよいよ約束の地へ踏み出すその時に語られたことばです。彼らが進む先、まずヨルダンを渡らなければなりません。出エジプトのときにはモーセが杖を伸ばして海を分けましたが、神の箱を担ぐ祭司たちが一歩踏み出すまで川は水一杯でした。一歩踏み出す勇気はまっすぐに神様のことばを信じてのことです。続いて立ちはだかるエリコの城壁、町の周りをただ回るだけ。それもまた、神のことばをまっすぐに信じなければできないことでした。
 ところがまっすぐに信じる妨げが私たちの心にあります。自分でできるというプライドやおごり、あるいは疑いや恐れ。私たちの問題はことがうまく行っているときです。むしろ、神様を必要としないような心が働くのです。一方、困った、苦しい、悩ましいというとき、神により頼むことを学びます。それは神の訓練のときなのです。
 「ですから、弱った手と衰えた膝をまっすぐにしなさい。また、あなたがたは自分の足のために、まっすぐな道を作りなさい。」(12、13)という勧め、それはイエスに目を向けることです。新しい年を迎えました。まっすぐに生きることは容易いことではありません。様々なことが今年も起こることでしょう。すべてのことが主の御手の中にあります。ですから、私たちはイエスから目を離さないでまっすぐに生きることを新たに歩もうではありませんか。