「何を頼りにしていますか」

 ペリシテの神ダゴンが倒れています。センセーショナルな出来事です。人々は元通りにします。人はとりあえずことが戻れば、根本的なことを問いはしません。ところが翌日になると今度は頭と両腕が切り離されて倒れているではありませんか。こうなると事は違います。あのイスラエルから奪った神の箱が原因なのは明らかです。神の箱はイスラエルに神がご自身の臨在のしるしとして与えたものでした。だから、彼らは戦勝を願って神の箱を持ちだしたのです。ところがペリシテに打ち負かされて奪い去られました。それがペリシテでことを起こすのです。

 人は都合よく神を使います。日本の天皇もそうでしょう。戦国時代には隠居させておいた天皇は欧州国家に倣って立憲君主制にするために王として祭り上げたのです。そして戦争に向かう中、現人神として祀り、国民を一つにするシンボルとして使いました。イスラエルにとっても同じ。民族と時代を超えてかたちは違えど、同じように偶像を祭りあげるのが人の姿です。

 真の神はことを起こされます。イスラエルには負け戦、ペリシテにはしるし。私たちはどうでしょうか。戦後70年、世界を見渡せば度重なる戦争、ソ連が崩壊し、ベルリンの壁が壊され、9.11のテロでは築きあげた富の象徴が壊されました。そして東日本大震災。私たちは問いかけを聞かなければなりません。

 頼りになるのは何ですか。国ですか政治ですか。財産ですか地位ですか。能力ですか健康ですか。どうにもならないことを何かでごまかしてはいないでしょうか。真の神が問いかけるのは、神の箱の本体、「私はあなたの神、主である。あなたには私の他に神があってはならない。」それを信じ従うことこそ本当に頼りになる真の神の力です。

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