「働きをゆだねる」使徒13:1-3

 使徒の働きはこの13章から積極的宣教へシフトし、「地の果てにまで私の証人となる」聖霊の御力の現れについて記しています。初代教会がみことばと交わり、パン裂きと祈りを使命として始まってからすでに15年ほど。異邦人が救われ、彼らは私たちの主イエスは全世界の主、罪の世界の中にあって、私たちは救いの先駆けとして選ばれ、福音を伝えるように召されていると信じたのです。
 アンテオケ教会にはバラエティー豊かな人たちが与えられました。慰めの子と呼ばれるバルナバ、ニゲル=黒人の背景を持つシメオン、アフリカはクレネ出身のルキオ、国主ヘロデの乳兄弟マナエン、そして激しい迫害者であったサウロ。国も民族も、性格も立場も違う者たちがどのようにして一つとされたでしょう。エペソ4章では、一致の基が神ご自身であること、そして神がそれぞれに賜物を与えてくださったのだと教えられています。違いは賜物です。ところが、私たちは賜物を生かし合うことがへたくそです。私たちはそれを生かし合う工夫を主にあってするようにとチャレンジを受けています。
 さて、この教会からバルナバとサウロが遣わされます。聖霊が言われたとは、教会のメンバーに一致して同じ思いを導かれたということでしょう。彼らは按手=手を置いて送り出します。それは自分の代わりに委ねることです。委ねたなら、信頼して任せる。重荷をともに負うことです。
 私たちの教会の働きも同じです。違いは賜物です。違いは神の与えてくださった豊かさです。それぞれの賜物に応じて働きを委ね、建設的にそれを献げて違いを生かし合い、主を証しする群れとして歩みましょう。全世界の中から、私たちを主の恵みを受ける先駆けとして選ばれたのですから。
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