「古い人を脱ぎ捨てる」コロサイ3:1-17

 この年、一年を振り返ってみると、新しい命の誕生、天に送った兄姉、病やケガ、それぞれのところを通ってきました。限りある命を生きているのが私たち。日常に埋没することしばしですが、年の終わりにその命を振り返ってみたいと思うのです。とりわけ、新年に掲げたみことばを覚えたいのです。

 私たちの脱ぎ捨てるべき古い人、それはからだから出てくる押さえがたい欲、また、内側から出てくる私たちを翻弄する様々な強い思い。それらをパウロは「捨ててしまいなさい」と言いますが、私たちは知らず知らずのうちに溜め込んでしまいます。掃除に必要なことの第一は、いるものいらないものを判断して捨てることです。捨てるべきもの、しかし、まだ赦せない。まだ怒っている。そんなものが残ってはいないでしょうか。

 パウロはもう一つ、新しい人を着たと言います。私たちの古い人は、アダムがイチジクの葉で覆ったように、すぐにボロのでるものです。一方、神が私たちにくださった新しい人、それは十字架の血潮できよめられた真っ白な衣です。まっさらに新しく、捨てるべきものを捨て、新しい衣を着たのです。

 そして、もう一つ、古い人は人を区別し、差別し、レッテルを貼ってさばきます。そして、一つになる交わりを妨げます。しかし、パウロはここで、「ギリシヤ人とユダヤ人、割礼の有無、未開人、スクテヤ人、奴隷と自由人というような区別はない」と教えます。

 古い人に居場所を与えてはなりません。あっという間に古びほころびてしまうようなイチジクの葉でごまかし続けてはなりません。それら古い人を捨て去り、新しい人、神が与えてくださったキリストを着た。それにふさわしい生き方を一年の終わりに整えて、新しい年を迎えようではありませんか。