「暗闇からキリストへ」コロサイ1:13-14

 ここはキリスト者のアイデンティティー、私たちがどんな者たちなのか、それを非常に短いことばで言い表したところです。あなたは誰ですか。私は誰ですか。その問いかけはとっても大切な問いかけです。生きる土台がそこにあるからです。
 まず、「 御父は、私たちを暗闇の力から救い出して」ということばで、私たちがかつていた場所について語っています。私たちの世界にある暗闇、それは、富の偏り、利権の集中、差別と不平等、不公平、フラットにはならない世の中、社会の闇だけではない。自分の心の内側にも闇を抱えているのが私たちです。最初の人アダムとエバが罪を犯して堕罪した。その罪の本質はいのち作ってくださった神を第一とするところから、自分の思い通りが第一となる、神から外れた罪が原因です。すべての闇の本質はここにあるのです。
 神はそこから私たちを救い出して、「愛する御子のご支配の中に移してくださいました。ご支配、それは御国です。神の国では、神が王であられ、主権、権威がある。よみがえりの御子イエスは「わたしには天においても地においても、すべての権威が与えられています。」(マタイ28:18)と宣言なさいました。ならば、何の心配もいらない。何も悩む必要もない。このお方がすべてのことに、最善をしてくださるのだから。それが神の国です。
 そして、「この御子にあって、私たちは、贖い、すなわち罪の赦しを得ているのです。」と語ります。贖いとは「犠牲を払って、自分のものを取り戻す」という意味です。神が本来人が生きる場へとキリストの十字架という犠牲を払って買い戻してくださった。そして神との交わりが回復して神の国を生きる者となった。それがキリスト者のアイデンティティーであり土台です。この土台の上に私たちは人生を建てて生きるのです。この土台を確かめ、しっかりその上に人生を建てようではありませんか。