カミングアウト

 先週はダルクの皆さんに招かれて、「依存症セミナー」に参加させていただきました。依存症の経験者がそれぞれお話しをしてくださいました。アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症、摂食障害、買い物依存症、またその家族。それぞれ壮絶な戦いを経験するなか、「もうやめよう」と何度も決心しながらやめられず、泥沼にはまって抜け出せずにもがいた過去を持っています。

 どの方のお話しにも共通することは、「カミングアウト」。自分の姿を打ち明けることです。こんな自分を知られたくない。自分でどうにかできると思っているうちは決して解決できません。彼らは回復のための12ステップというプログラムを持っていますが、その第一は「私たちは○○に対し無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを認めた」という自己理解です。そして、それが受け入れられること、受け止められること抜きに解決には向かわないのです。

 彼らは自己紹介をするとき「○○依存症の△△です」とまず名乗ります。繰り返し繰り返し自分が依存症であることを自他に確認するのです。一度やめても絶えず自分が依存症であり続けることを、恐れを乗り越えてカミングアウトし続けていくのです。

 彼らのところには一切責めることばがありません。自分自身も同じ依存症だからです。ただただ、聞き合い、受け止め合うのです。教会はキリストのからだとして同じだなぁと思わされます。「罪人の□□です。」私たちが証しすることはそのようなことではないでしょうか。罪示されて赦された。それこそ最大の神のわざなのですから。

 あなたがたは、互いに罪を言い表し、互いのために祈りなさい。いやされるためです。ヤコブ5:16        

(2012.3.12再掲)