ネズミも用いられる

 十勝産の小麦、豆類、乳製品、じゃがいもはよく知られています。北海道は苫小牧―千歳―札幌―旭川を結ぶライン上に人口が集中していますが、他に都市と呼べるのは、北見、釧路、網走、帯広で、10-20万人の地方中核都市です。帯広は人口17万人、そこにOキリスト教会の開拓伝道を始めたのは1985年のことでした。

 教会は道内を転勤などによって移り住んだクリスチャンなどを中心に順調に成長。6年ほどで30人ほどの群れに成長し、自立教会となりました。最初は古い借家を会堂に使っていましたが、手狭になり、次を祈り始めるようになりました。しかし、会堂建築をするには大きな借金をし、それを返済していくという大きな決断をしなければなりません。簡単には決めることができません。

 そこに現れたのがネズミです。ある日、その古い会堂にネズミが現れたのです。「こんなところ使いたくない!」という消極的な理由(笑)が新会堂建築の後押しをしたというのです。教会の歴史の記録に書かれていますから、重要な出来事だったのです。

 その会堂も順調に準備が進み、いざ支払いの時になってから銀行の支店が融資を取り付けていたのに、本店からの了解が得られず、危うく焦げ付きそうになりました。業者からは支払いを迫られ、支店からは待ってくれの一言のみ。にっちもさっちも身動きとれない中、教会員がみなでそれぞれの預貯金を出して支払いを立て替え、支払いが終わった途端に融資が得られた。そんなギリギリの経験もあったそうです。しかし、その経験は自分たちの献身を問われ、神への信頼を問われる大切な時であったと証しくださいました。

 私たち歩みはすべて計算ずくではいきません。大切なのは、神、私たちを心に留めたもう。最善なしたもうという信仰なのです。