何一つ無駄な経験はない

 K教会のI先生は親しくお交わりするのが初めての機会だったのですが、稀に見るバイタリティー溢れた先生でした。M教会出身、北海道聖書学院を卒業後、OMFの宣教師が開拓伝道を始めて4年、信徒が10人にも満たない状態でこの教会に遣わされました。それからまだ4,5年、20数人の群れであるときに旭川のN教会の兼牧をするのです。

 その距離160km。北海道であることを考えても甲府-長野間の距離です。普通じゃ考えられません。北見では開拓伝道をして50-60人の群れに、永山では教会再建をして20数人の群れに導き、今春、牧師を立てることができました。さらに網走に開拓伝道を始め、その間、4人の献身者を送り出しました。わずか15年ほどのことです。

 先生の口からは、あまり聞き慣れない言葉がでてきます。「100点はいらない。60点でいい」、「2・3・3・2の法則って知ってる?二割が熱心な人、三割は賛成の人、三割は否定しない人、最後の二割は否定する人」「失敗してもいいから、やってみること。ダメなら、別のやり方すればいい」ビジネスマンみたいです。伺うと、日本髪かつらを扱う会社を21才で起業し、25才で株式にし、全国飛び回って仕事をしていたと言います。

 それで合点いきました。実に能力のある、しかも全国を飛び回るビジネスマンだったのです。不思議なことにその知識や経験、ものの考え方や取り組み方、そのすべてが生かされるのです。優秀なビジネスマンだったからよい結果を出したわけではありません。師が謙遜に自分自身を主にお献げし、それを主が用いてくださったのでしょう。大切なことはすべてを献げることです。今も過去もこれからも。主のために献げ生きる人を、何一つ無駄なく主はお用いくださるのです。