八重山という離島と宣教

 石垣島出身で早稲田大の総長をした大濱信泉(1891-1976)という人がいます。彼が残したことばに「人の価値は、生まれた場所によって決まるものではない。いかに努力し、自分を磨くかによってきまるものである」ということばがあります。島の人なら誰でも知ってることばだそうです。
 石垣島を含む八重山諸島へは羽田から那覇に2時間、さらに飛行機で1時間。沖縄本島からの距離は東京-大阪間の距離にほぼ等しい距離。日本の西端に位置するところです。いまでこそ飛行機で簡単に行けるところになりましたが、かつては外国も同じ、小さな島であったわけです。現在の石垣島は島民約5万人。そのうちの約1万人は南の島に憧れて住み着いた移住民または居留人だそうです。
 さて、そこに教会が始められたのは1966年のこと。本島の首里福音教会の信徒に離島伝道の重荷を与え祈り始めたことから始まりました。「私は福音を恥とは思いません。福音は、ユダヤ人をはじめギリシヤ人にも、信じるすべての人にとって、救いを得させる神の力です」(ローマ1:16)のみことばが思い浮かびます。
 世界中どこであっても、同じ主にいのちを造られ、生かされている者がいる。尊い祈りによって生まれ、同じ主の救いにあずかって建てられた教会がある。一方で離島故の困難があることを覚えさせられます。八重山キリスト福音教会も現在会員4名で無牧。同じような集会がいくつかあると聞きました。また島民のコミュニティーはより結束堅く、クリスチャンになることのハードルも大きいことでしょう。また教会間の交わり、励まし合いの機会も極端に少なくなります。
 それでも、生まれた場所に関わらず、救いにあずかるべき人の救いのため、教会が前進することができるようにと祈りましょう。