冬を越すこと、喜んで働くこと

 南こうせつの「お父さん」という歌、こうせつさんが20代ののときに64歳の応援歌として作ったものです。

 汗をかいたのでひと休み

 薪割は疲れますね おとうさん

 もうすぐ日が暮れる カラスが飛んでゆく

 一番星光るまで もうひとがんばり

 汗をふいて お茶を飲んで

 腰をのばせば お父さん

 ニッコリ笑う ニッコリ笑う

 明日天気になあれ

 一見、すごくのどかな情景が浮かんできますが、薪割りは重労働。そして薪の消費量というのは結構なものです。例えば、12月~4月末まで毎日20時間燃やす場合、1シーズンの薪の使用料は2.5トン、500kg/月、17kg/日で約二束強。これをすべて買うとなると10数万円になります。

 買った薪で薪ストーブを使えるのはお金持ちだけで、普通はあちこちから剪定くずをもらったりしてこの量を確保するわけです。また、薪作りは生木を乾燥させていくわけですから、ちょうどアリとキリギリスの話のように一年かけて冬の備えをするわけです。

 いまでこそ、私たちはスイッチ一つで暖房が点き、しかもタイマーでセットして部屋を暖めることまでできますが、一昔前は冬を越すための備えは大変なことであったのです。便利になった世の中、そのための労苦を忘れてしまってはいないだろうかと思います。冬を越すこと、それは毎日喜んで働けるかにかかっているようにも思います。

 実に神はすべての人間に富と財宝を与え、これを楽しむことを許し、自分の受ける分を受け、自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそが神の賜物である。こういう人は、自分の生涯のことをくよくよ思わない。神が彼の心を喜びで満たされるからだ。伝道5:19-20