夫婦という異文化体験

 毎年、成人の日には結婚・家庭セミナーを行っている。今年はOMFの菅家宣教師夫妻に「夫婦という異文化体験」というテーマでお話しをいただきました。
 1994年にご結婚されたご夫妻は、1995年にカンボジア・プノンペンに派遣されて宣教師としての生活が始まりました。ほとんどの家に鏡がなく、電話もテレビもない。日が暮れるとほとんど毎日銃声が聞こえる街。「宣教地へ行くと母国では隠されていたことが表面化する」ことを聞かされていた二人でしたが、バイクの事故でケガをし、2週間寝たきりになったとき、互いの不満が爆発し、夫婦の危機を迎えたと言います。
 ことばで伝えるべきことの文化、男の会話や手紙の作法と女のそれは違います。一緒にことばを学んでも、カンボジア語の上達に関する比較や嫉妬。時間の使い方から考え方、ちょっとした習慣や癖。結婚生活とは異文化体験なのです。それでも、その違いはゆとりある中では受け入れやすい。ところが、ゆとりがなくなるにつれ、それは受け入れがたいものとなっていくものです。
 また、夫婦生活の期待、こう受け止め、関わり、こうあって欲しいという願望、それは失望と苛立ちを起こさせます。ありのままを受け入れること、赦し合うこと、協力し、ともに感謝しあうこと。それは、むしろ私たちが主を愛し、主のご栄光を表すための訓練の場。罪の姿が露わにされ、どうしてもキリストの恵みなしにはいられない恵みへと目が開かれる場。主はそのように私たちを導いておられるのです。
 これから結婚を願う若い人はもとより、長年結婚生活を営んできた者たちにとっても、傾聴するべきとてもよいセミナーでした。家庭が困難な時代、違いを乗り越える愛の福音をともに生きることを祈りましょう。