新しい春と人生の四季

 4月の春を迎えました。教会の庭に植えた杏の花が咲き、スモモの花が咲き、桜が咲き始めました。いのちの萌ゆる季節、私たちは季節の移ろいとともに新しい新鮮な思いをもって春を喜んでいます。「あぁ、四季とともに時を刻んでいるのだなぁ」と思います。長い準備のときを経て、新生活を始める若い人たちは期待に胸を膨らませて様々な新しいチャレンジを始めることでしょう。

 教会の周辺も3月から、新しく大学に入るであろう学生が親御さんと一緒に家を探しに来たり、引っ越ししたりと賑わいます。そして、4月はたくさんの学生たちが武田通りを上ったり下ったり、まだ慣れない様子は初々しくも、これから始まることに期待を膨らませている様子は実にいいなぁと思うのです。

 人生の春です。人のいのちにも四季があります。生まれてから「育ち・学ぶ」時期が春とすれば、大人になり、自立して生きるようになると夏。盛んに活動し、旺盛に様々なことにチャレンジします。恋愛や結婚、家族を持ったり、仕事に打ち込んだり。夏を謳歌する時期です。そして、人生の秋。実りを喜ぶ時期です。豊かな実りを喜ぶことあり、一方で負ってきた重荷をも引き受けなければなりません。肉体的な衰えを覚えるようになり、すでに新しいことを始めるには制限がありましょう。でも、積み重ねの経験が生かされるときです。そして、冬。人生の終わりを意識するようになり、何を残し、どこに向かうのかが問われます。その時に心広く、多くを受け入れて感謝し、平安に歩めるか、それは、永遠と神を知ることで与えられる賜物ではないでしょうか。

 素晴らしい可能性に満ちた春。そして向かう四季。限りのあるいのち、それが祝福に満ちたものになるため、いつもいのちの造り主に導かれることこそ、握りしめたい宝です。