本と情報、混乱と識別力

 ジュンク堂書店が岡島に出店したと聞き、遅ればせながら覗いてみました。今風のことばでいえば「デカッ」。通販で本を買うことが増えた私はフロアを埋め尽くす本に圧倒されて思いました。「本って、たっくさんあるけど、読み尽くせない。」たわいもない内容の本から学術書、思想書、哲学書とありとあらゆる人の思想や思考が本になって集められています。
 新刊本の発行点数を調べて見ると50年前の1962年は10,642点。それが2010年は74,714点。実に7倍、それも年々確実に増えています。言わば様々な考えが表現されていると言えましょう。今までわからなかったこと、知らなかったことに触れる機会が飛躍的に増えたのです。そればかりではありません。本に加えてインターネットの世界には、世界中のありとあらゆる情報が溢れています。その量たるや膨大で、本当に必要な情報を見つけるより、実のところノイズの方が多いのです。
 そこで考えるのはバベルの混乱です。人は名をあげようと塔を建て始めました。一致のシンボル、偶像です。神はことばの混乱でそれを止められました。重なるのは思想統制と情報統制、皇民化政策です。一つにしようと強制した結果は侵略と搾取、死と涙でした。バベルの混乱はせめてもそれぞれに散り、自分の場所で生きるようにという神のあわれみでした。
 今、ノイズだらけの混乱した世の情報の中にあって本当に必要なことを見分ける識別力が問われています。聖書を通して語られる神のことばを聞き分け、本当によいもの、神の祝福の道を選び取ることが求められているのです。祈りをもってそれを求めましょう。
あなたがたが、真にすぐれたものを見分けることができるようになりますように。
ピリピ1:10