牧師が足りない?

 来春、年度を期に牧師の働きを退いたり、一つの区切りをつけて、他教会へ異動したりする準備をしている牧師・教会にとって11月というのは大切な月です。この時期にほぼその方向が定まっていないと次年度への備えができないからです。私のところにも相談が寄せられたり、あるいはお勧めをしたりということがここのところ毎年あります。

 今、日本の教会の牧師の平均年齢は67.8歳です。JECAの場合にはおそらくそれより10歳ほど若いのではないかと思います。プロテスタント教会の中でも「福音派」と呼ばれる私たちを含めたグループの方が全体的に若いのです。また、無牧・兼牧の教会は13%になります。そして、その比率は高くなっていくでしょう。JECAでも現段階で来春、話がない教会がいくつかあります。

 これから神学校に学び、牧師になる人が増えているかといえば、若い人が減って、どこの神学校も人数は少なく、開店休業状態にある神学校も少なくありません。ますます、数は減るのは間違いありません。私たちの固定観念として、一教会に一人、必ず牧師がいて、教会を牧会しているというイメージがありますが、それだけでは対応しきれない現実が起こってきているのです。

 何ができるでしょうか。教会統合を試みるところがあります。兼牧態勢を組むところがあります。どちらもあまり上手くいってはいません。心が追いつかないのです。学校統合は適応力のある子どもたちのこと、教会はそうはいきません。牧師がかけずり回ってたくさんのことに心と時間を割くのも簡単ではありません。それでも、さまざまな模索が求められていますし、現にされています。大切なことは、自分の教会がよければいいという考えを捨てて、よい協力をすることです。労を惜しまない心構えが大切なのです。