生半可な信仰では

 「生半可な信仰ではやっていけません」とおっしゃるのはK福音教会のK姉。先週、問安した教会の一つです。東広島市黒瀬町。広島市中心から車で約50分の田舎町。JECAに最近加盟したものの、飛び地のように離れた場所にあるゆえ、どんな教会なのかほとんど知られていません。戦争末期、東洋一の軍艦建造の拠点であった呉からクリスチャン婦人が疎開し、家庭集会を始めたのが教会の始まりです。戦後、信仰を持つ人が与えられて群れとなり、群れの中からその婦人の甥であるM前牧師が神学校に学び、牧師となりました。以後、ここで教会を建て上げてこられたのです。

 その教会のK姉。信仰を持ったのは、結婚6年、ようやく与えられた5歳の息子さんの死がきっかけです。こともあろうに知り合いが誤って轢いてしまったのです。恨みと悲しみに暮れる彼女に一人のクリスチャンとの交わりが与えられました。人を憎み赦せぬ罪からイエス様の救いをいただき、新しい歩みがスタートしたのです。

 しかし、田舎の因習深い地、教会堂の屋根に登り、瓦を投げ割るような人までいたそうです。「一粒の麦地に落ちて死なずばただ一粒にて在らん。しかしもし死なば多くの果を結ぶべし」とのみことばを息子さんの墓に刻み、その通りに主に従おうと彼女は心定めました。

 糖尿になって失明した前牧師を看取る奉仕をしてくださいました。そればかりでなく、その後も数人を自宅に引き取り、食事から下の世話まで一切をなさる世話をする類い稀な愛の持ち主です。誰に何と言われるかとか、どう思われるのかではなく、ただ、キリストの愛にこたえることだけが彼女の生き方。一筋通っているのです。大きな励ましをいただきました。