聖書に親しむために(4)

<使徒の働き2>
 使徒の働きのキーワードは1:8「しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」です。この約束である聖霊の導きによってなされたみわざの証が使徒の働きであることは前回確認しました。それに導かれて起こったのは今までの既成概念が打ち砕かれたことです。
 第一に導かれたのは神殿中心の礼拝生活からの脱却です。イスラエル人にとって、礼拝の場は神殿でした。そこで祈りをささげ、いけにえをささげることが礼拝生活の中心でした。使徒たちも神殿で祈りをささげ、教えていたのです。ところが、迫害のゆえに神殿から追い出されます。それゆえに神殿中心の礼拝生活から、家に集まる礼拝へとシフトしますが、それは今までのあり方から新しい礼拝へと導かれることでした。礼拝は場所が問題なのではなく、「二人か三人がわたしの名において集まっているところには、わたしもその中にいるのです。」(マタイ18:20)とイエス様が言われたことが大切なのです。
 第二に、神との交わりが万人祭司とされたことを意味します。すでにイエス様の死とともに神殿の幕が真っ二つに裂け、神との隔てはなくなりました。それまで、祭司でなければ、しかもいけにえの血を携えてでなければ神にお会いすることはかないませんでした。それが、誰でもキリストの名によって祈る者には直接交わりができるのです。
 第三に、新しい礼拝のしるしであるパン裂き=聖餐が新しい礼拝の要素となりました。初代教会はその始まりから、キリストの恵みである聖餐を大切にしました。単に既成概念が打ち破られた以上に、新しい礼拝のあり方~それはキリスト中心の礼拝へと変えられていったのです。旧約にあるのは影です。それがキリストにあってはっきりとしたのです。