自分の足で立つ人に

 生まれたばかりの赤ちゃんは何もできずに生まれてきます。せめてできることといえばおっぱいを吸うということだけでしょう。保護され、世話をされなければ生きていくことすらできません。それが次第に自分でできることが増えていきます。寝返りをし、ハイハイをし、立ち上がり、歩き出し、自分の手でものを食べ、ひとりでトイレに行きます。

 子どもが成長し、大人になるということは人に頼らず自分で生きることができるということです。それができる大人に育つために手助けし、見守り、支えをしていくことが親の役割です。一方でそう育てることは容易なことではありません。大人の目から見れば、実に簡単、自分でやってしまえばすぐに終わるようなことであっても、忍耐して待たなければならないのですから。

 人はみな自ら考え、自ら決断し、自ら行動する人格をもっています。子どもは「できない」から「できる」にひとつひとつ成長していきます。そして大人になるということは、そのすべてに自らが責任をもつということです。親や周囲にとって大切なことは、「私の子」である以前に「神の子」であること。そして、神が私に預けてくださったということをわきまえることではないでしょうか。

 「私の子」なら、私の願いや希望をかなえる器にします。自分のできなかった夢を、あるいは「いい子」に育つことを押しつけたりもします。それでは親の期待という枠の中であって、自立ではありません。しかし、「神の子」なら、神がくださったその子の個性や性質、賜物を大切に喜び、それを喜び生きる手助けをしていくのです。

 子どもたちをほめましょう!あなたの賜物はすばらしい!神がくださった宝はすばらしい!大切にするんだよと。神を喜び、自らを喜び自分の足で立つ人になるために。