「交わりと喜び」使徒28:11-16、ローマ16:1-16

 パウロ一行はいよいよローマに着きます。ローマの最初のキリスト者はペンテコステの日、エルサレムに居合わせた「滞在中のローマ人」から始まったのでしょう。彼らがローマに帰り教会ができます。ユダヤ人退去命令(18章)のゆえにコリントに滞在していたアクラとプリスキラなど、他の教会の交わりと行き来するような者たちもいました。

 まだ見ぬローマの教会にパウロはコリントから手紙を書き送りました。救いの教理から始まって、キリスト者の実際生活までを教えたのは、教会がキリストにふさわしく整えられるためでした。その最後に彼は一人一人の名前を挙げます。フィベやプリスキラとアクラ。彼らはパウロと行動をともにしました。それも、いのちの危険を冒すようなことまでしてくれたのです。

 だから「どんなことでも助けてあげてください」と言います。実にキリスト者は新しい戒めに生きるように招かれています。「わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい」という戒めです。それこそが福音の深まりです。ローマ16章にでてくる兄姉のリストは王家に連なる者から奴隷、身分や民族の違いから、男も女もなく一つ教会の交わりに入れられているのです。

 その彼らがパウロがローマに着いたと聞くや、出迎えに来てくれるのです。「パウロは彼らに会って、神に感謝し、勇気づけられた」とは、その福音の深まりの実を見たからです。「ですから、私の愛する兄弟たちよ。堅く立って、動かされることなく、いつも主のわざに励みなさい。あなたがたは自分たちの労苦が、主にあってむだでないことを知っているのですから」と教えた通りの実を見たのです。私たちも新しい戒めに行き、福音の深まり、交わりの喜びをつくりましょう。

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