ルツ記のストーリー、それを読むと、それは世界の片隅、しかも飢饉で逃れ、不幸続きの家族の途方に暮れるようなできごとです。しかし、そこに神は目を留めてくださるのです。それは、私たちにとっても大きな励ましです。いったいこの小さな私の存在など、何の役にも立ちはしない。誰からも忘れられてしまったかのようにどうでもいいように思えることがあるのです。ところが、神はそんな者たちに目を留めてくださっています。
出来事の次第は聖書にある通りですが、悲しみの連続。飢饉でのモアブへの疎開、そこで息子たちに嫁を迎える慰め。しかし、それは長くは続かず、男たちはみな死に、残された女たち。ナオミはユダが再び回復したことを聞いて帰還することにします。「主が私を卑しくし、全能者が私を辛い目にあわせられた。」その悲しみを抱えて帰るのです。ただ嫁のルツがついてきてくれるのです。
ルツは、どうしてこのような選択をしたでしょうか。第一に彼女の選択は、強いられてしたものではありません。自分で選び、自分で決めたことです。ナオミは別の選択を勧めました。それを押し切って彼女が決断したのです。それが自立ということです。自ら考え、自ずから決断し、自ずから行動すること。それが自立であり人格です。第二に彼女は信仰に立ちました。悲しみの連続、そこに神がいるのかと思うような現実。しかし、彼女は「あなたの神はあなたの神」、「私の神は私の神」とは言わず、「あなたの神は私の神」と告白するのです。第三に彼女は献身します。別のことばで言えば愛です。自分のために生きる人は、何も残しません。しかし、他者のために生きる人は多くの実を残します。その選択を彼女はしました。
これらは男も女も関係なく問われています。私はどうあるべきか。自らの選択を問い直すチャレンジをしようではありませんか。