「一年の感謝をともに」ローマ16:1-16

 この一年、「いつも喜び、絶えず祈り、すべてのことについて感謝」、このみことばを掲げてきました。喜びとはギリシャ語のカイロー、挨拶、Greetingとも訳される言葉でした。心から喜んで、どんな人にもどんなときにも挨拶を交わしてきたでしょうか。挨拶は私たちの内なる人、人と人との関係を表すものです。パウロはまだ見ぬローマの教会への手紙の最後に挨拶を書き送る。それは喜びをともにしたいという願いです。

 フィベ、彼女は手紙を書いているコリントの隣町ケンクレア教会の執事。パウロは彼女に手紙を託しました。二つのことをローマ教会に願います。1. 聖徒にふさわしく、2. どんなことでもしてあげてくださいと。パウロはマケドニヤで迫害を受け、コリントでの伝道に導かれました。何もないところで生活すること。それは簡単なことではりません。しかしフィベが「助けてくれた」のです。さらにプリスカとアクア。彼らもまた天幕作りのしごとをしながら、コリントで、またエペソでローマでともに働いてきたのです。

 ローマの教会には様々な人たちが加えられています。その一人一人を思い浮かべます。アジアの初穂、同労者たち、名前で王家に連なる者もいれば、奴隷だとわかる者たちもいる。それが喜びをともにするのはキリストにあって一つとされた神の家族に連なる者たちだからに他なりません。

 私たちも一年、送り出した兄姉いれば、迎え入れた兄姉がいる。今年は国籍も人種も年齢も立場も様々な兄姉とともに歩みをしてきました。表に見える労苦、皆が知っていることもあれば、隠れたところでともに祈り、支え合ったこともあります。そのすべてのことを主に感謝したいのです。そして、それを数えて新しい年を迎えましょう。