「主があなたを祝福されるように」ルツ3:10-11

 ナオミとルツは大きな喪失体験をして、ユダに戻ってきました。聖書の中で、最も大きな喪失体験をしたのはヨブでしょう。友人たちが慰めに訪れますが、やがて、ヨブを責め立てます。実に人間というもの慰めることも、慰められることも難しいものです。
 「一人なら打ち負かされても、 二人なら立ち向かえる。三つ撚りの糸は簡単には切れない。」(伝道者4:12)のことばのように、ルツとナオミは神と共に生きます。人というもの、自分のためだけに生きていたら、喪失を嘆くことしかできません。ルツはナオミのために、ナオミはルツのために何かをしよう、そう思ったとき、前を向いて進むのです。人は誰かの訳に立つことを喜びとして生きるのです。同じ経験を通った者同士がその心を理解して麗しく支え合うのです。
 ナオミはルツの幸せのために結婚の段取りをします。ユダヤ人には神からの相続地とそれを守る家系と結びついた結婚をしました。ルツが夫なき後、この家の嫁として生きる道というのは、兄弟がいなければ、近い親戚から夫を迎えなければなりません。ボアズは夫候補として申し分ない。しかも、並々ならぬ親切!そして、ちょっとイレギュラーな求婚は、正式な結婚を申し込む立場にはないナオミとルツができる精一杯のことでした。
 そこでボアズは即決即断です。おおよそ、人生で大切なことを決めるとき、それは長い時間を要することは多くありません。ボアズにはルツに対する評価、「誠実」が確かであり、私もそこに加わろうという決断なのです。神の御前に誠実に生きようとする者たちに、神はその信仰に応じて導きをくださるのです。私たちの歩みに困難なつきものです。だからといって、嘆き悲しんで自己憐憫に陥るような後ろ向きの生き方ではなく、神の祝福を信じて誠実に生きようとする者に神は道を備えてくださるのです。