世界中に大ききんが起こり、困窮しているユダヤの兄弟たちに救援の物を送ったのがここにある出来事です。私たちにとっては震災がまさにそういう時でした。誰しもが助けになりたい、役に立ちたい、そう思い、大勢のボランティアが被災地に行きました。情に動かされて誰もがそう思いますが、本当の愛の奉仕はどのようになされるべきでしょうか。
初代教会はその始まりから、みことばと祈り、パン裂きと祈りを中心として物心とも支え合う共同体として始まりました。身近な交わりが深まると、献げることや仕えること、相手の思いに立つ愛は訓練されます。1ヨハネ3章にあるように「ことばや口先だけで愛することをせず、行いと真実をもって愛す」という生活を身をもって深めるのです。そして、交わりが深まるところ、交わりは拡がります。彼らの救援はその表れでした。
さて、私たちはどのようにして交わりを深められるでしょう。ボンフェファーは「共に生きる生活」という著書の中で、私たちの奉仕について7つの勧めをしています。第一の奉仕はことばをつつしむという奉仕、第二は謙遜という奉仕だと言います。奉仕というより、しない方がいいことです。ところが私たちの実際はそれが必要です。それがあってはじめて積極的な奉仕と呼べる、聞くという奉仕、助力という奉仕、重荷を負うという奉仕ができると言うのです。ここまできてはじめて、「共に生きる生活」になり、みことばをあかしする奉仕となり、神をともに讃える奉仕になる。そういう勧めです。
さて、そのようなあなたはどうでしょう。そのような思いで奉仕を献げているでしょうか。もう一度、最も身近な人を愛する奉仕により深く献げ、力に応じてよき助け合うよき交わりを築こうではありませんか。
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