エリヤは輝かしい勝利の陰に大きな疲れを覚え、イゼベルを恐れて逃げます。向かった先はユダの最南端、ベエル・シェバ。荒野に入って死を願います。私たち人は、物事がうまく進んでる時はハイになり、どんなことでもできるような気になります。ところが燃え尽きてガタッと心がしなびてしまうのです。霊は燃えていてもからだの限りがあるし、からだが疲れると心も弱ります。御使いが現れて、与えてくださったのは食べ物でした。そして食べて休み、40日40夜歩いて導かれたのはホレブの山でした。
　主はここで彼に「ここで何をしているのか」と問います。神は同じようなな問いかけをアダムにしました。「あなたはどこにいるのか。」カインには「あなたの弟アベルはどこにいるのか。」主は当然ご存知であられるのに、あえて尋ねるのです。それは神は常に私たちに対して一方的ではなく、対話を求めておられるということです。神の問いかけにアダムとカインははぐらかしますが、エリヤは正直ありのままを申し上げます。
　主は大風と地震と火を送りますが、そこに主はおられませんでした。そのあとのかすかな細い声をして、もう一度、「あなたは何をしているのか」と問いかけ、彼の思いを聞き、確かな臨在を示してくださいました。エリヤは主が私についておられるということに大きな慰めをいただきました。
　そして、彼に「なすべき務め、使命」をお与えになります。「私は必要とされている」ということほど力になることはありません。アラムの王としてハザエル、イスラエルの王としてエフー、預言者としてエリシャに働きを委ね、そして、何よりもバアルに膝をかがめない七千人を残している。たった一人ではないという力強い励ましを送るのです。私たちは誰もが弱い器に過ぎません。時に疲れ、燃え尽きます。でも主はともにいて、確かにともにおられ、すべてを知ってなお励ましてくださるお方です。