初代教会が非常に生き生きと喜びに溢れていた様子がここには描かれています。その秘訣は何だったでしょうか。
第一は主への恐れです。それは人が主を本来おられるべき場所に置くことであり、主の権威と深く結びついています。ローマ13章には、この世の権威はすべて、神のしもべとして秩序と平和のために立てられたものだと教えられています。マタイ28章にあるように、すべての権威は主にあるのです。そのお方が自ら十字架の上で命を捨ててくださった。それゆえに私たちは牧者であり、監督者である方のもと、本来おるべきところに戻された(1ペテロ2章)のです。このお方を主とする恐れが生じ、その権威のもとに不思議としるしが行われたのです。
第二は喜びの共有です。主の権威がはっきりすれば、すべてのものが神のものであり、私のものなど何一つないという生き方に導かれます。世の生き方はどれだけ自分で集めたかが問われ、私がどれだけ持ったかが幸せのバロメーターになります。しかし今、私たちは地震と津波ですべてを失った人の声を聞きます。「家はまた買える。でも、命は買えない。」そんな当たり前のことが見えなくなってしまうのです。人は自分のものとするために欲張り、争い、奪い合うのです。ところが、主のもとに、命の造り主にして、救い主なるお方と共に生きるなら、その心配はいりません。主が与えてくださるのですから。
今、私たちがそのように生きるなら、それは世のあり方とは違って、周りの人たちに主の恵みを知らせる証しです。世とは違う原則に生きていることが周りにも喜びを与える器とされるとき、そこに主を恐れる生き方と喜びをともにする人は必ず加えられていくのです。それをともに目指しましょう。
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