喜びの秘訣、それは「信仰の結果である、たましいの救いを得ている」それがペテロの伝えるメッセージです。
私たち人は、ちりで形造られ、神がいのちの息を吹き込まれて生きる者となりました。神がご自身のかたちに人をお造り下さったので、人は人格を持ち、からだとたましいを持つ存在なのです。医療の世界で扱うのはからだです。諸症状を診断して治療します。しかし、それができなくなるとできることはありませんと言われます。最近になってターミナルケアが行われるようになると、そこでなすことは尊厳をもって最期を迎えられるように痛みをコントロールし、一方でたましいに関わること、スピリチュアルケアと呼びます。
もう一つ、聖書が語る人間観、そこには、神との交わりに生きる霊の領域があります。最初の人アダムは神との交わりに生きていました。ところが堕落の結果起こったのは神との断絶。それが霊的な死です。ニコデモにイエスは「肉によって生まれた者は肉、御霊によって生まれた者は霊です」と語りました。新しく神との交わりに帰る霊的な新生、それがたましいの救いです。
放蕩息子のたとえ話、それは神との交わりを失った人の姿です。からだとたましいを喜ばせる生き方、それははかない快楽が人生の目的となります。しかし、何もかも失って、生きることがままならなくなった息子は父のもとに帰ります。父は彼を迎え、「死んでいたのが生き返り、いなくなっていたのが見つかった」と言うのです。神との交わり、霊を失った人から、神との交わりに回復するなら、たましいの救いを得るのです。どんなにつらい経験も、死をも乗り越える霊の新生。ふさわしからざる者を贖う光栄。それこそが栄えに満ちた喜びなのです。