「母親指標」と我が母と

 子ども支援の国際NGOセーブ・ザ・チルドレンでは、毎年、保健、栄養、教育、政策決定への参加など、世界165カ国の母親を取り巻く状況を評価した「母親指標」を発表しています。その評価の指標は次の15項目。

 1. 産婦死亡のリスク

 2. 現代的避妊手法の使用

 3. 訓練を受けた医療従事者の元での出産

 4. 女性の平均余命

 5. 女性の正規教育期間

 6. 男女間の給与所得の比率

 7. 産休・育休制度

 8. 女性の国政レベルでの政治への参加

 9. 5歳未満の子どもの死亡率

 10. 5歳未満の子どもの栄養不良児率

 11. 就学前教育就学率

 12. 初等教育就学率

 13. 初等教育就学の男女比

 14. 中等教育就学率

 15. 安全な水の利用率

 1位はノルウェー、最下位はニジェール、日本は30位。母親指標の上位には先進国が、下位にサハラ以南アフリカを中心とする開発途上国がランクインする傾向にあります。

 これは主に社会状況など外的状況が取り巻く「母親指標」です。これを見ると、きわめて過酷な環境の中で生きている母親たちがいることがわかります。世界中、ところ変われど母親が子を思う思いには大きな差がないのではないでしょうか。

 我が子を思う母、その愛情とまなざしが世界を作ってきたと言ってもいいと思います。そして一人一人の母と子には統計や状況や計画や算段やそんなものを乗り越える様々なストーリーがあることでしょう。そんな母に、感謝を伝えることを、ささやかながらさせていただきましょう。母にとってのありがとうのひと言だけで十分なのですから。