「真の神とアイドル」使徒14:1-18

 伝道旅行を続けるパウロとバルナバは、ルステラの町で、いやしの奇蹟を見た人たちにゼウス、ヘルメスというギリシャの神々に祭り上げられます。

 偶像は英語でアイドル。人の理想や願望、欲望が生み出すものです。いわゆるアイドルもそうです。それに合わなければ早々に消えていきます。現代の偶像の一つはお金でしょう。便利な交換手段の一つであったお金は、ただの紙切れにあるいはカードが現す数字に過ぎませんが、それがあれば偽りの安心を生み出します。アニメのキャラクターも願望の産物であり、現代の偶像の一つでしょう。偶像はいつでも人からの一方通行です。交わりに生きるべき人間がこれに傾倒すると、人間が壊れてしまいます。

 偶像はまたお手軽な癒しを与えます。列王記には「高き所を取り除かなかった」と度々記されています。彼らが礼拝すべき場所は幕屋・神殿です。そこには幕が掛かっていました。聖い神の御前に罪深い人間は恐れを持たなければなりません。ただいけにえの血、悔い改めと贖いがあってこそ神と回復するのです。一方で高き所、偶像はそれを要求しません。真の悔い改めなく偽りの安心を与えるのです。

 さらに偶像は人間を束ねます。バラバラな人間を一つにするには何かの象徴、一致の基が必要です。日本で持ち出されたのは現人神であり国体です。そのために命を捨てることを要求しました。結果がどうであったのか、それに踊らされた悲惨を私たちはいやというほど見たはずです。

 真の神は、すべてのものをお造りになった生ける神。イエスの十字架が幕を破って私たちに救いの道を備えてくださった。このお方とともに今日も生きようではありませんか。

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