ヤコブはエジプトへ彼に属するものすべてと一緒に旅立ち、ベエル・シェバでいけにえをささげます。いけにえ、それはささげ物、祭壇と呼ばれても出てきますが、その最初はノアが箱船から出てきたときです。そして、アブラハムがカナンで約束の地だと見せられた時、ロトの家族と別れて新しい場に移ったとき、イサクをささげたとき、イサクが神の約束を聞いたとき、つまり、大きなことの転換期、神がことを導かれたときに、それを記念して礼拝をささげたのがいけにえであり祭壇です。
後に幕屋での礼拝として定められたとき、献身を表す全焼のいけにえ、感謝を表す穀物のささげ物、交わりを表す和解のいけにえ、悔い改めを願う罪のためのいけにえ、へりくだりを表す罪過のいけにえの5つのささげ物がささげられました。共通することは神を神として崇め、私たちで言えば、主の祈りを祈ることです。ヤコブはその信仰の告白を新たにしたのです。
そこに主が語りかけをくださいます。ヤコブの名を呼び、ご自身を「私は神、あなたの父の神である」と確認します。そして語ったのは、「エジプトに下ることを恐れるな。…このわたしが、あなたとともにエジプトに下り、また、このわたしが必ずあなたを再び連れ上る。」という約束です。一族70名が生きるということは日々の糧だけでも大変なことです。慣れ親しんだ場、生涯かけて築いてきたところから新しい場に行くということは大変なことです。ここに主はお約束を新たにしてくださったのです。
そして、エジプトでヨセフと再会します。彼は「もう今、私は死んでもよい。おまえがまだ生きていて、そのおまえの顔を見たのだから」と言います。それは、ヨセフを見たからでしょうか。神が信じる者に、約束違えず祝福をくださるということをこの確信したからではないでしょうか。その神は私たちともともにいてくださいます。そして、みことばの約束を違えることなく導いてくださるのです。