ヤロブアムからアハブに至るまでの歴史は、王の数が7人です。みなヤロブアムの道に歩んだと言われます。人心束ねて国を一つにするためには第一のもの=神が必要です。本来、全イスラエルにとっては主に仕えることでした。それに代わる偶像を作るのがヤロブアムの道です。しかし、神ならぬものは決して国を一つにはできません。実力者が出ると謀反を起こして王を暗殺する。それが三度繰り返されます。
アハブはさらに都サマリヤにバアルの神殿を築きます。「彼以前の、イスラエルのすべての王たちにもまして、ますますイスラエルの神、主の怒りを引き起こすようなことを行った」のです。そこに遣わされたのがエリヤです。「私が仕えているイスラエルの神、主は生きておられる。私のことばによるのでなければ、ここ数年の間、露も降りず、雨も降らない」と宣言します。彼はケリテ川のほとりで烏がパンと肉を運んで養われます。川の水が涸れるとツァレファテのやもめのもとに導かれます。
やもめにはすでに瓶に一握りの粉とほんのわずかな油しか残っていません。「もうだめだ。これで最後の食事をして、あとは死ぬだけだ」と思っていました。そこにエリヤは「そのかめの粉は尽きず、その壺の油はなくならない。…小さなパン菓子を作り、私のところに持って来なさい。その後で、あなたとあなたの子どものために作りなさい。」と言うのです。そのことばは彼女の信仰を試すものでした。
それは私たちが主の祈りの中に「我らの日毎の糧を今日も与えたまえ」と祈る祈りにこたえて、「神養いたもう、神支えたもう」という確かな証です。日毎の糧、それは「食べ物と飲み物、着物と履き物、家と屋敷、畑と家畜、金と財産、信仰深い夫婦、信仰深い子供、信仰深い召使い…」と言ったのはルターです。すべての必要を主は信じる者に備えてくださる。「かめの粉は尽きず」支えてくださるのです。私たちもその信仰に力をいただきましょう。