「人間が時間を節約すればするほど、生活はやせほそって、なくなってしまうのです」
ミヒャエル・エンデ
これは児童文学者のエンデが『モモ』という本をして問いかけた言葉です。私の友人の一人である吉川直美牧師が『ひとことでいいのです』という小さな本を著しました。彼女曰く、
「私たちの口にするひと言が、人を慰め力づける祝福の言葉ともなれば、人の心に突き刺さり、人を縛り付ける呪いの言葉ともなります。ほんの短いひと言にも、人を癒やし、解き放ち、もう一度立ち上がらせる力があります。だれにでも忘れられないひと言があるのではないでしょうか。」
46のひと言を、マザー・テレサからやなせたかしまで。中にはクリスチャンでない人たちのひと言も入っているのですが、「神の言葉はクリスチャンという枠を越えて世界に響いている」ことを彼女は改めて教えられ、紹介してくださっています。
神は私たちに言葉を与えてくださいました。ひとり言ではありません。言葉は生きて働きます。一方で、私たちは言葉がへたくそです。ヤコブが「もし、ことばで失敗をしない人がいたら、その人は、からだ全体もりっぱに制御できる完全な人です。」(3:2)と語るとおり、実のところ言葉はその人の人となりが表に出てくるものです。
どのようにしたら、私たちは「ことばの達人」になれるでしょうか?「キリストのことばを豊かに住まわせ」ることです(コロサイ3:16)。近道はありません。祈りつつです。
主よ。私に愛を与えてください。あなたの愛を教えてください。それが泉となって湧き出るように、私のうちに住んでください。人の渇きをいやす者にしてください。