インドネシアってどんな国?

 赤道直下に推計13,466の島嶼(とうしょ、大小さまざまな島)からなる国。日本は本土5島と6,852の島嶼です。東南アジアの国々は欧米の国々に比べてその姿を知る機会はあまり多くありません。しかし、人口は2億3千万人を超え、中国、インド、アメリカに次ぐ世界第4の規模の国。その姿を少しばかり紹介してみましょう。

 民族は大多数がマレー系ですが、約300の民族がおり、言葉も500以上あります。島の拡がりは東西5,110km、日本が北の択捉島から西の与那国島まで3,294km、面積は191万平方キロ、日本が37万平方キロですから、大きな国で、少数民族も数多くあります。

 インドネシアは18世紀からオランダ領となり、長い植民地時代が続きました。1942年から一時的に日本の軍政下に置かれますが、戦後、オランダ領には戻らず、独立戦争を経て1949年、ハーグ円卓会議でオランダから独立し、インドネシア共和国となりました。

 インドネシアは信教の自由が憲法で保障されています。それでも人口の3/4はイスラム教徒であり、世界最大のイスラム国です。一方で、キリスト教も13%、プロテスタントがその中で5.7%で、東部諸島やニューギニア島西部ではキリスト教が優位です。特徴的なのは唯一神への信仰が第一原則とされているので、無神論は違法です。

 しばしば伝わるキリスト教の迫害のニュース、その背景は簡単ではありません。首都のジャカルタの人口は約1千万人、周辺を含めると2千2百万人のメガシティーです。一方、広い国土と多民族国家、政府は人口の少ない地方への移民を奨励しました。しかし、移住者と現住人との間は民族も宗教も違います。政府の後ろ盾をもった移住者、それが争いのもととなっているのです。所変われば、事情も様々、もう少し関心を拡げたいものです。