テクノロジーとコミュニケーションと

 今年は2020年、ちょうど2000年、その年は世紀をまたぐ年、生まれた子どもはミレニアムベビーと呼ばれました。そして、21世紀の始まりである2001年生まれは新世紀ベビーと呼ばれます。その子どもたちが成人を迎え、世代は入れ替わっていきます。この世代、そして、少し前の1990年代以降生まれは、デジタルネイティブと呼ばれ、物心ついたときからインターネットを使う世代です。
 通信手段やコミュニケーションのあり方が大きく変わりました。私の若い頃は、なんて言ったらすっかり旧世代丸出しですが、テレビも電話もない生活。どうやっていたんだろうと思います。梨大の門の前に公衆電話があって、10円玉をたくさん集めて、あるいは100円玉・・・いや、テレホンカードはあったかな?電話するのも私からだけで、私には電話できませんでした。
 それが、いつでもどこでも連絡が取れるようになると、約束に遅れそうでも、「ちょっとゴメン」とメールを入れれば許されるようになり、待ち時間の暇つぶしもさほど困りません。みんなに一斉に連絡もできるようになり、それはそれは便利なものです。一方、面と向かって対話するしか手段がなかった時代からすると、確かに時間や手間はかかりませんが、心遣いや間というものが失われてはいないだろうかと思うこともあります。
 また、残念なことに、面と向かってではないため、キツいことばのメールを送りつけたり、子ども世界ではSNSいじめや仲間はずれなんてこともしばしば耳にします。テクノロジーの発展とともにいままでなかったような心ない出来事も耳にします。一方、人の本質は変わりはしません。罪深い私たち人間。ツールは形を変えても心が問題なのです。次の世代を担う子どもたちによき模範を、そして、誰が見ていなくとも神様に喜ばれること、隣人を愛することを教え、健全に育つことを祈りたいものです。