感謝を伝えよう〜母の日に寄せて〜

 母の日は1908年の一つの出来事に始まりました。米国のアンナ・ジャービスの母親は教会学校で献身的な奉仕をして天に召されました。記念会に呼ばれた娘は母を忍んでカーネーションの一束をささげ、年に一度母親への感謝を表すことをを提案しました。これが共感を得、1914年には国民の祭日として祝われるようになりました。日本では1915年から教会で始まり、徐々に一般に広まり、1937年からエンゼルマークの森永製菓が広めたことで一般に広く祝われるようになりました。
 森永製菓の創業者森永太一郎は若くして陶器商に勤めますが、店が傾いたのを機に渡米して日本の陶器を売ろうとします。しかしあえなく失敗。そんな時にキャンディーと出会います。洋菓子職人を目指すきっかけです。彼は人種差別があり、なかなか人として相手にされなかった米国で、クリスチャン老夫婦に出会い信仰に導かれます。洋菓子の技術を身につけた彼は帰国とともに起業します。マシュマロのヒットとともに、彼はみことばを掲げた屋台式箱車でお菓子を売り歩き、ヤソのお菓子屋さんと有名になりました。
 彼の幼少時には父の死と共に親戚をたらい回しにされた悲しい過去がありました。12才になっても字も読めず、伯母の養子となってようやく勉学することができたのです。クリスチャンになった彼は、救われた恵みを「おいしく、たのしく、すこやかに」をモットーとする事業につぎ込みます。また、母の日運動を展開し、今も引き継がれています。
 この日を機会に考えてみましょう。どれだけ多くの恵みをいただいて育てられてきたでしょうか。どれほど多くの祈りによって守られてきたでしょうか。どのようにして感謝を表すことができるでしょうか。今からでも遅くはありません。ありがとうの一言を。
(牧師記、2005.5.8再掲)