戦後の福音宣教で大きな役割を担ってきた一つは「文書伝道」でした。「読み書きそろばん」は日本の教育のキホンのようにされてきました。義務教育以前にも寺子屋で学び、幕末期、武士はほぼ100%、庶民層でも50%前後が読み書きできたと言われます。私たちは当たり前のように思っていますが、例えばエジプトで66%、バングラデシュで55%です。その日本で有効な伝道方法として文書伝道は用いられました。宣教師たちはトラクトを配布し、キリスト教書店を作りました。甲府でも町の中心に福音書房を開きました。
いのちのことば社は会社組織ではありません。宗教法人の出版部門です。1950年、TEAM宣教団のケネス・マクビティー師が始めました。私たちの読んでいる信仰書や聖書注解、講解などの書籍発行だけではなく、働きの中にはすべての家庭に戸別トラクト配布を目指すEHC(Every Home for Christ)のという働き、長く伝道雑誌「百万人の福音」も発行しています。クリスチャン新聞や新改訳聖書や福音教会讃美歌の発行にも大きな貢献をしています。
近年では文書伝道というカテゴリーにもインターネットや電子化の波が押し寄せ、電子書籍の発行やインターネットニュースの配信、聖書アプリの制作から、音楽・CD・DVDなどのメディア伝道など、教会で助けになる様々な出版物を発行しています。また、恵みシャレーの運営もしています。現在は、TEAM宣教団と深い関わりのあった日本での活動停止になったスウェーデン同盟キリスト教団の法人を利用し、運営を行っています。
「冬」と呼ばれる出版界、本は売れず、出版社の経営は簡単ではありません。その中にあって、教会の働きの延長の中に、信仰を養い、福音を宣教する大きな助けを私たちも積極的に利用させていただきたいものです。