今週、全国教職者研修会があります。そこで、私が依頼された分科会の発題が「牧師の高齢化」です。それは、12年ほど前に、牧師の高齢化や交代に関わることについての論文を私が書いていたからです。JECAの牧師たちの年齢分布、そして、15年後の予想を立てていました。改めて発題のためにそれを検証し、これからを考えてみたのです。
12年前、70才を超える年齢の牧師は多くありませんでした。教会全体も若かったと言えるでしょう。今、一番多い世代は60代で、そこをピークの山型になります。12年前は50代がピークでしたから、それがスライドしています。問題は30-40代の層です。当然、献身者も起こって増えるはずが、増えるどころか若干ですが減っているのです。
世の中の動きもそうでしょう。終身雇用制が崩れて非正規雇用が増えました。転職をすることも珍しくありません。経済事情や仕事に対する意識が変わっただけではなく、ものの考え方や人の関わり方も世代によって変化しています。とりわけ、様々なストレス多い牧師という仕事において、一人抱え込んで牧師を辞める、あるいは他の教会に移るというケースが多いことを感じていましたが、統計的にそれがハッキリしました。
若い牧師が一人牧会の責任を持つことは簡単ではありません。教会もグッと高齢化し、様々な年齢層の兄姉がいます。社会が複層化また複雑化し、その中で生きることの理解もまた多種多様です。そこにみことばを届けるには、深い理解が要求されますし、また、人との関わりにも多様なことが求められます。もはや、いや、もともとそうであったのでしょう。一人の牧師ですべてをすることの限界があるように思います。そもそも少ない若い牧師、そして、それを励まし育てることは教会の共になすべき大きな課題なのです。