<使徒の働き3>
最初の教会はエルサレムで始まり、ユダヤ全土、サマリヤ、そして異邦人へと拡がります。そこで大きな壁となっていた壁が取り払われます。それはユダヤ人と異邦人の壁です。
ユダヤ人は自分たちこそが選びの民、そのしるしは割礼だと自負していました。無割礼の異邦人は汚れとみなし、付き合いもしませんでした。その壁を取り払う出来事が使徒10章に記されています。カイザリヤのコルネリオという改宗者の百人隊長がペテロを招くようにという幻を見ます。ペテロも同時に幻を見ます。大きな敷布のような入れ物にきよくない動物が吊されて降りてきて、「屠って食べなさい」と言うのです。「主よ、そんなことはできません。私はまだ一度も、きよくない物や汚れた物を食べたことがありません。」と言うと「神がきよめた物を、あなたがきよくないと言ってはならない。」というやりとりを三回繰り返しました。
コルネリオからの使いに御霊が促し、カイザリヤに導かれたペテロは確信しました。「神はえこひいきをする方ではなく、どこの国の人であっても、神を恐れ、正義を行う人は、神に受け入れられます。…このイエス・キリストはすべての人の主です。」(10:34-36)そして、そこに聖霊が下るというしるしが与えられました。そして、それがエルサレムで証されます。
しかし、これが後々の教会において何度も繰り返されます。異邦人が救われたら、ユダヤ人と同じように割礼を受けなければならない。そういう声があって、使徒の15章ではエルサレム教会会議が行われ、ユダヤ人が追いきれなかったくびきを負わせないことが確認されます。それでも度々度々顔を覗かせては書簡では、壁が取り払われた。キリストこそが平和!と確認されるのです。人の生み出す壁のいかに大きいことか。しかし、神は壁を取り払って平和をくださったのです。