戦後80年を迎える今年、先の選挙では参政党が大きく躍進しました。80年という長きにわたって体制に大きな変化なかった国はごくわずかです。内から外から変化を迫る力が強く働いて、国が大きな変化を求められることが少なくありません。日本がそうではなかったというのは、「一億総中流」と呼ばれる総じて誰でも頑張って働けば豊かさを享受できたからなのかもしれません。
それが、「失われた30年」を経て、このままではダメだという空気が世の中を覆うようになってきています。格差が広がり、これまで聞かれなかったことばが次々と生まれています。バブル崩壊と産業の衰退、就職氷河期(1993年-2005年)から生まれた「就活」。働く女性が増え、男女雇用均等法(1999年)、経済状況や意識の変化が絡んで結婚状況が変わり「婚活」、「シングルマザー」。終身雇用が崩れ、「セクハラ、パワハラ」に我慢を重ねることがなくなり、自己主張の時代、さらには「モンスター」が生まれる。善し悪しは別として、それらは社会の変化の表れのように思うのです。
多様化、様々な価値観があってもいいと認められる社会になりました。一方で右よりの保守的な政党を支持する層がでてきました。それらを含むポピュリズム(大衆迎合、大衆扇動)と呼ばれる流れは、新聞やニュースが真実を伝えていないと、インターネット、SNSで流れ錯綜する情報とともに動いています。
キリスト者と教会もその波の中に揉まれて生きています。「終わりの日には困難な時代が来ることを、承知していなさい。そのときに人々は、自分だけを愛し、金銭を愛し、大言壮語し…」(第二テモテ3:1-)という警告が語られているのと同じです。一方で、福音の恵みにとどまり、「みことばを宣べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやなさい」という励ましに立っていこうではありませんか。