H姉召天を覚えて

 H姉が1日(木)、94歳の地上の生涯を終え、召天しました。1930年の生まれ、受洗の恵みにあずかったのは1990年、60歳の時です。「洗礼を受ける!」と言ったご主人に、「私も一緒に!」と信仰を告白して笛吹川で洗礼にあずかりました。それを期に主に生き方を変えていただきました。
 須玉の若神子の出身。戦争ではお兄様を硫黄島で亡くしました。政府の訪問団に招かれて行った時には、その証をしてくださいましたが、10代前半は戦争一色の時代でした。結婚した当初は東京の千駄木、その後、甲府に戻ってからは、家族はもとより、会社のお母さんとしても活躍しました。また、夫婦でギデオン協会の会員として、聖書贈呈の伝道活動に献げてきました。
 会社には社員への伝道のため、月に1回、私を呼んでくださり、聖書の話をさせてくださいました。その後は色々おしゃべりをして交わり、ともに祈りました。元気なうちは早天祈祷会に夫婦で出席して、いつも祈ることは子どものこと、孫のこと、会社のこと、社員たちのこと。それは「子どものような単純、素直な祈り」でした。難しいこと、どうしていいのかわからないようなこと、手には負えないことが次から次へと起こります。そのときに、ただ「子どものように祈る」ことをする人でした。
 何よりも、長寿をいただき、天命を全うした生涯、それぞれに共に過ごした思い出がありましょう。地上の別れのさみしさはありますが、天に迎えられる平安はなんと幸いなことでしょうか。「また、会う日まで、また、会う日まで、神の恵み、汝が身を離れざれ」(讃美歌446)という希望はなんと感謝なことでしょうか。それぞれ姉妹との間に様々なエピソードがありましょう。同じように自分のときには何を残していけるのだろうかと問いつつ、感謝と平安をもってお送りいたしましょう。