クリスマスの習慣と祝う心

 クリスマスを祝う飾りにはリースやツリーなど様々なものが使われます。リースは材料にモミや月桂樹、イチイなどの常緑樹が使われます。冬も枯れない、永遠のいのちを表すものです。ヒイラギを拝するのはモーセ召命の時の燃えた柴のシンボルであり、痛いトゲと赤い果実は、キリストがトゲの冠をつけ、赤い血を流すために来られたことを物語るものなのです。そして、これを輪にするのは、その昔に競技会のチャンピオンが頭上にした勝利の冠に通じるとともに、時が満ちたということを円環にしてあらわしたものと考えられています。そして4本のローソクはアドベントの4週を表します。
 一方で、ツリーは16世紀のドイツでパラダイスの木(黙示22:22)とクリスマスの光(ヨハネ1章)を合わせ飾られ出したのが起源と言われています。ツリーの天辺にはベツレヘムの星、金銀の玉はパラダイスに実った果実のシンボルです。ツリーの創始者はマルチン・ルターとも言われます。
 私たちには馴染みがありませんが、フランスが起源の「聖なる飼い葉桶」という習慣もあります。飼い葉桶型の小さな入れ物に、子どもたちが毎日お祈りをしたり、よいあかしを立てたりする毎に、わらの小片を一本ずつ敷いてクリスマスを待ちます。クリスマスの日までに飼い葉桶を満たし、イエス様が痛くなく、暖かく、心地よくきてくださるように励む習慣だそうです。
 他にもアドベントカレンダーやサンタクロースなど様々な習慣があります。その一つ一つに込められた意味にはクリスマスの物語を語り伝え、あるいはイエス様の来られたことの意味を思い起こす祝いとしてなされてきたことです。飾りとともに、私たちの心も霊も、イエス様の来られたことを祝い、救いの喜びと愛で飾りたいものです。(2016.12再掲)