「喜ぶ者と喜び、泣く者とともに泣く」ローマ12:15-21

 東日本大震災から丸7年となりました。災害が起こることは自然のサイクルです。しかし、大きなインパクトのある出来事をして、私たちは本当に必要なもの、なくてはならないもの、なくてよいものが問われ、また、心の向きがどこへ向いているのか、問いかけられます。この15節を中心に3つのことを心に留めましょう。

 このローマ書の中心、それは8章の終わりです。どんなものからも、キリスト・イエスにある神の愛から私たちを引き離す者はないと力強く励ましを与えています。決して裏切られることのない私たちの土台です。

 そして、その神の愛に応答する生き方を求められています。ここに、「この世と調子を合わせない」と出てきます。人は回りを見てことを判断し、周りに合わせて行動します。しかし私たちは「神のみこころは何か」がその行動の基準となるのです。震災、そのときに聞こえてきたのは、分け合う麗しさややさしさばかりではありません。極限に置かれた人間は本性が表れます。「悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」それこそ、神のみこころです。それを生きるのです。

 とりわけ覚えたいのは表題の言葉です。境界線ということばを多く耳にしました。残念ながら、「私はあなたになれないし、あなたも私にはなれない」のです。それを乗り越えるには何が必要なのでしょうか。私たちの心の向きです。イエス様は取税人、遊女、罪人とともに食事をなさいました。自ら友となってくださったのです。その足跡にならって、私たちも境界線を乗り越えるのです。いや、本当は境界線などないのです。人にレッテルを貼ることを止め、ともに生きる恵みと愛に生きるチャレンジを続けましょう。