「神のみが建て直すお方」エレミヤ33:1-16

 エレミヤが監視の庭に閉じ込められていたとき、それはユダが滅ぼされる直前のことです。カルデヤ人が都エルサレムを包囲し、どうにもならない状況にあるときのことです。こんな時こそ、一致団結して敵と戦わなければならないと体制は動き、御用預言者が国に都合のよいことを預言する中、彼は悲しみと涙の中で神からの真実を告げます。

 第一に、彼らがそうであったように、私たち人間にはわからないこと、どうにもならないことがあります。一方、神は世界を造った全能の生けるお方です。そのお方が、「私を呼べ」と呼びかけておられるのです。私たちは今を予測ができたでしょうか。10年後を予測できるでしょうか。明日のことすらわからないのが私たちです。その神が、「あなたの知らない、理解を越えた大いなる事を、あなたに告げよう」と招いておられるのです。

 第二に、神が問いかけているのは、このような状況の中で、自らを省み、本当に大切なことは何か、神の御前にどうかと問うことです。エルサレムはこの後、すべて焼き払われて、跡形もなく町が滅ぼされます。神の怒りと憤り、さばきの結果です。同時にそれは、どうにもならない困難な状況の中で神の前にふるわれているのです。私たちが震災を通して迫られていることも同じではないでしょうか。ここまでしないとわからないのです。

 第三に、ふるいにかけられた後、主に立ち返るなら、主が傷をいやし、回復させて平安を与えられるというお約束が与えられています。エルサレムは再建されますが、再び破壊されます。本当の救いとは、「若枝」である主イエス・キリストの復活の後に与えられる新しい神の国、栄光の教会です。神のみがお与えくださる救いと力に委ね生きることをもう一度新たにしようではありませんか。 

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