「私だけが唯一の神」出エジプト20:2-6

 八百万の神々の国日本に生きる私たち、日本の神は氏神、先祖の霊を祀ることがその始まりです。そして天照大神から始まる万世一系の皇族とその臣民は一つであるという教えです。それは仏教伝来とともに神仏習合しましたが、明治期、近代国家に向かわせるために立憲君主制の欧州国家に倣って再び神仏分離し、天皇を王としたのです。それはやがて天皇は現人神、我らその家族。だから天皇のため、お国のため、家族のためが一つとなって命さえ捨てる思想となったのです。それが戦後崩れながらも根底に横たわりながら、神も規範もない国になり、今があるのです。

 神は唯一と告白すること、それは証明することではなく、目で見、確かめ、信じることです。奴隷であったエジプトから救われた彼らも同じでした。彼らはエジプトで十のしるしを見、過越を見、海を渡り、マナを与え養うのは生ける真の神であることを経験したのです。だから、他の神があってはならないと主は言うのです。

 一方、偶像を生み出すのは、アイドルを求める私たちの心であり、欲望・願望です。情欲は、私たちが周囲の人や神からどれだけ遠ざかっているかを測るものさしです。単に刻んだ像だけではありません。あなたの中に隣人を愛する愛よりも自分を優先させるものがあるなら、それがすでに偶像なのです。

 だから、神の名をみだりに唱えるなと戒めるのです。あなたは本当に信じている通りにしていますかと私たちに迫ります。唯一の神を信じると言いながら、それにふさわしい歩みをしているか、私たちはいつも自分の心を見張るようにと励まされているのです。

 いのちの造り主にして、唯一の神、このお方を信じ、従うことにこそ、私たちが喜びの道を歩む鍵があるのです。

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