「腰を据えて」使徒18:1-11

 コリントの町はアカヤ州第一の経済・政治の中心として栄えた人口約60万人という大都市でした。一方、その豊かな富は乱れを生みました。新宿歌舞伎町、札幌すすきのと同じような歓楽に乱れた町の代名詞でした。そして、それは教会・信仰者にも大きな影響を及ぼしていたのです。

 コリント書を読むと、その困難が見て取れます。分裂分派がありました。パウロにケパに、アポロにイエスにと分派を作りました。イエスに?そう、「私はイエス様だけだ!誰にもつかない!」という分派を作る者までいたのです。不品行がありました。ときに異邦人にもないほどのこと。結婚や性に関する混乱。争い事、訴え合い。飲み食いに関すること、弱い人をつまずかせる思いやりのなさ。枚挙にいとまがありませんが、それが教会の中にもあったのです。

 実のところ教会の中、信仰者の中でも世の中と同じことが起こります。私たちは赦された罪人であって、古い人を捨てきれず、世から影響を受けます。地上にいる限りその戦いがあるのです。また世も神に逆らい、彼が語っても語っても迫害が起こるのです。

 その中で主が幻の中に励ましをくださいます。わたしがあなたとともにいる。誰もあなたに危害を加えない。この町には、わたしの民がたくさんいる。だから「恐れないで語り続けなさい。」これが主の励ましでした。パウロは力を得、腰を据えて、あくまで語り・教え続けました。後にテモテに向けて「みことばを述べ伝えなさい。時が良くても悪くてもしっかりやりなさい」と奨めたように。

 世にあって私たちも困難があることでしょう。しかし、同じ主が私たちにも同じように励ましをくださっています。主のみことばに生き、語り続けようではありませんか。