あぁ悲し、根深き罪よ

 庭仕事で最も困難な仕事は樹木の抜根。根は樹を支え、水分を得るために大きく伸び、見える樹冠に比例して拡がります。教会のマロニエの樹、毎年、初夏の季節になるとピンク色の優美な花を咲かせ、目を楽しませてくれました。ところが昨夏、突然枯れました。それはそれは残念でした。暑さにやられたわけではなさそうです。どうやら、害虫にやられたか、病気に罹ってしまったようです。

 枯れた木、そこには残念ながら、もう何の価値もありません。葉も茂らず、無残な姿をさらし続けるだけです。ところが、それを処分するには大きな労力がかかります。せめて樹幹だけは切り、枯れた姿をさらさないようにだけはしておきました。抜根となるとそれはそれは大変なのです。

 先週、一念奮起して作業をしました。何しろ、根は縦横に伸び、絡み合ってビクともしません。一メートル四方を掘り起こし、出て来る根をノコギリで切ります。切った根を掘り起こし、また下の根をと繰り返します。手作業ではとても追いつかないので絡み合った根と根の間を電動ハンマーなどを使ってほぐしては土を払い・・・。二時間半の大格闘の末、ようやく取り払うことができました。大汗でぐしょぐしょになり、バテバテです。

 それは私たちの罪の根とよく似ていて、掘っても掘ってもなかなか取り切ることができません。実に根深く、実を結べないどころか、悪態をさらしている。でも掘り起こすには多大な労力がいるのです。パウロが「私たちの格闘は血肉に対するものではなく、主権、力、この暗やみの世界の支配者たち、また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。」(エペソ6:12)と言う通りです。うわべ隠しても実は結べません。でも勝利者キリストの御霊に勇気をいただいて、その格闘に勝つ者とさせていただきたいのです。