あいうえおの法則2「い」

 大先輩の牧師が長い奉仕の中で、「いそがない、いばらない、いじけない」という3つの「い」を心がけてきたと語っておられました。この3つに共通することは、自分の思い通りにならない心からでてくることです。

 物事が自分の思い通りに進まないと私たちはイライラして、ことを急ぎます。車の運転はしばしば性格と気持ちを表すと言われますが、人それぞれペースが違います。何事もゆっくり丁寧な人もいれば、テキパキとこなす人もいます。のんびり屋の人もいれば、チャカチャカと動いていないと気持ちが悪いという人もいます。時と場合によっても替わります。ですから、その人その人のペースに合わせることを覚えなければなりません。

 また、どうしても人が思うように動かないといばり散らしたくなります。「俺の言うことが聞けないのか」というような口で言うことから、「これをしなければ、私もしない」という取引・駆け引きであったり、ことを荒立てないためには、しぶしぶ言うことを聞かざるを得なかったりなどということが起こります。それでも思い通りにならないと人はいじけます。だんまりを決め込んだり、引きこもったり、逃げたり・・・。「面白くない」という思いが心を支配します。それほどに私たちは罪人なのです。

 実は最も身近な人たちこそが自分の暗やみの姿を鏡のように映し出すのです。しかし、私たちはそのことになかなか気がつきません。「自分のことは自分が一番よくわかっています」と言うのは大ウソです。わかっていないのです。もし、こんな3つの「い」が心をよぎることに気付いたら、その時こそ相手にではなく、自分自身に向き合うときです。そして神のもとにその思いを携え、十字架の血潮できよめていただくのです。そして新し心に造り変えていただき成長するのです。