あなたの若い日に

 自分がそうなるまで気がつかないのが時の流れと歳の取り方、老いです。若い時というのは無限に先があるように感じます。時間だけではありません。何かことをしようとするとき、すべてが新鮮で好奇心や期待にワクワクすることにあふれています。
 それが中高年という歳になると、一番その違いが鮮烈にわかるのは同窓会でしょうか。同じ時を共有してきた者たちが、それからそれぞれ過ごしてきた日々をどのように生きてきたのか、今をどう生きているのか。顔に体に、ことばに立ち振る舞いにそれが表れます。同じ時代を生きてきても、それはみな違います。同じことといえば時間です。24時間、365日、それは誰も同じ。そして、その時の流れだけはどうやっても止めることはできません。若い日はあっという間に過ぎ去るのです。

『あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。 わざわいの日が来ないうちに、 また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。』(伝道者の書12:1)

 このみことばが私たちに迫るのは、私たちの限られたいのちの日、その始まりの若い日にいのちを創り、与えてくださったお方を覚えること。それは私たちのいのちの目的や意味を学び、喜びをもってその使命を生きるためです。そこにこそ喜びがあるからです。
 学生伝道の働きは、その若い魂にフォーカスして福音を伝え、生涯、それに生きることを励ます働きです。それは一個人だけではない。そのようにして世に仕える人たちを生み出していく大切な働きです。コロナの中、集まることが難しい。とりわけ若い人は互いに切磋琢磨、意見を交わし、ともに行動することで学びます。それが難しい今、次の世代を生きる若い人たちのために、そして、その課題をともに祈りたいと思います。