キリスト教会は教会暦というものを大切にしてきました。プロテスタント教会は「信仰のみ、聖書のみ」ということを重んじてきましたから、どちらかというと、暦に関係なく生きているようなところがあります。しかし、人はともするとダラダラと緊張感や季節感なく時を過ごす傾向を持っています。暦を覚えるということは、時の流れを意識し、神の恵みを数え、感謝を数えて心に刻むという大切なことだと思います。
その中でも、クリスマスとイースターは特別な祝いとして、祝ってきました。そして、もう一つ加えるのは聖霊降臨日であるペンテコステです。そして、それに関わる待降節(アドベント)と受難節。それは私たちの救いであり、信仰のすべてである主イエス・キリストのみわざに関わることだからです。神が私たちの救いのために何を与えてくださったのかを心に刻むのです。
今年のアドベントは特別です。例年であればこの機会に周りの人たちに福音を伝える時として、そして、師走ということもあって、幾分慌ただしく過ごします。ところが、今年はコロナの中にあって思うように動くことができません。その分、少し時間がゆっくりとあるのではないでしょうか。それだったら、その分、静かにみことばと向き合うのもよし。恵みを振り返って自分の信仰生活を文字に表すのもよし。手紙やメールを誰かに送るのもよし。そのようにしてアドベントの期間を過ごすのもよいのではないでしょうか。
そして、クリスマスが終われば、すぐに新年です。普段の生活はいつも追われています。そして、流されたまま過ぎていくのが私たちの日々です。そこに、暦を覚え、恵みを確認して心に刻み、感謝の祈りを献げ、迎える新年への祈りを加える。そのようにして迎える月を過ごすことができたらば、確かにコロナ「禍」を転じて、神の恵みと変えることができるのではないでしょうか。