ウソ偽りを捨てて誠実に

 欺きのはかりは主に忌みきらわれる。正しいおもりは主に喜ばれる。箴言11:1

 食品偽装が発覚して食に対する信頼が大きく揺らぎました。産地を偽り、あるいは牛脂注入など加工した物を本物だと偽りました。問題は見ただけでは見分けがつかないこと、食べてもほとんどの人にはその違いが分からないことです。やっかいなのは、普通の人にはわからない極めて専門的な領域、プロに任せるしかないようなことで偽りが行われることです。シロアリ診断、リフォーム詐欺などはときどき耳にすることです。

 昨年、温水ボイラーが不調なんだけどわかる?と相談されました。燃料屋さんに「もう部品がないので修理はできない」と言われたそうです。「風呂やお湯、毎日使っている物だし、買い換えると工事も含めて結構お金がかかるね。とりあえず型番を教えて」と伝えました。ボイラーなんて私だってわかりません。インターネットに型番を入れて調べるとリコールがでているではありませんか。「リコールがでている機種に部品がないなんてことはあり得ないから、メーカーに直接聞いてごらん」と奨めました。メーカーは丁寧にリコール該当の製造番号ではないけれど、販売店が適切な対応をしなかったことを詫びて、無償修理をしてくれたそうです。

 何がショックかと言えば、信頼していた燃料屋に裏切られたことです。「まいど!」と灯油を持ってくる燃料屋です。年数経てば、効率が悪くなったボイラーの買い換えを奨めたくなるのもわかります。修理より買換えの方がお店として割りがいいのもわかります。でもね。ウソはついて欲しくなかった。

 神を恐れることを知らないところには偽りが横行します。いや、私たちの心にだって、思いがよぎるでしょう。神を恐れ、人に誠実に。いつも心に留めたいのです。