私たちの国には季節に応じた年中行事があります。お正月から始まって、節分、ひな祭り、お彼岸、節句、七夕、お盆、秋の彼岸、七五三、冬至と大晦日、それに併せた祭りごと、その他にも春夏秋冬さまざまな文化をもっています。それらの多くは神事や仏事と結びついているため、クリスチャンが祝うものは多くはありません。一方で、ハロウィンのようににわか人気の行事もあれば、あまり見なくなった行事もあります。
行事は食と結びついています。いわゆる縁起物であったり、お供えものを下げてあずかるものであったりするわけですが、それはまた農耕と収穫に深く関係しています。食べ物はいつでも手に入るわけではない。季節があります。また、自分たちの手で働いて収穫したも貴いもので、それで生活しているわけですから、自然の恵みに感謝する生活になります。決して豊かではない時代、ハレの日・ケの日の区別がありました。
今の時代、食と結びついて特別な日というのは少なくなりました。まず、畑作で生活している人はわずかになりました。また、一年中、世界中から食べ物を買う時代、豊かになって特別な食べ物も減りました。昔は贅沢品だった食べ物もいつでも普通に手に入ります。それもハレとケの区別がされなくなってきた一因でもありましょう。
教会での祝い事、正月から始まって餅つきをします。日本では稲作が生きる力、それを搗いた餅や醸した酒をお供えし、それにあずかるのが鏡開き。私たちは餅を搗いて食べながら、生ける真の神が、私たちを祝して健康を与え、それぞれに与えられた務めを祝福してくださるように祈り、神の国とその義を第一とするとき、恵みをもって必要のすべてを供えてくださることを、ともに食することを通してその恵みを味わいたいと思います。