私にとってこの一年間ほど泣いた年はありませんでした。日本中でこれほど涙が流された年はこの近年なかったことでしょう。私はといえば、物が壊れていくのはショックでしたが、涙はでませんでした。一方、人の話しを聞いていると、その悲しみがまるで自分のことのように思えて涙を誘いました。
貧困、戦争、天災、病気と死はこの地上の歩みでは避けて通ることはできません。それでも平穏な日常をすごしているうちに、いつの間にか私たちは「平和ボケ・安全ボケ」になってはいなかったでしょうか。
許されて、生かされてこそ生きているのです。突然、それが取り去られることがありましょう。それは誰にもわからないのです。私たちには今、目に見える地上がすべてのように思っています。その視点で見れば涙しかないかもしれません。しかし、それを超えた希望が主にある。すでに罪と死に打ち勝ってよみがえられた主イエス様が、私たちを迎えるために備えてくださる。だから、どんなときにでも私たちには希望があるのです。
さよなら、地の栄えよ、さよなら。
この移ろいゆく世は、
人生の貪欲な喜びに目をくらますが、
死はすべてのメッキを剥がしてしまう。
死の的になったものはもう飛べない。
私は病んで、今この世を去る。
主よ、私たちにあわれみを!
<中略>
だから、すべての者よ、急げ。
来るべき運命を受け入れよ。
天国こそ、私たちのゆずりの地。
この世はほんの一幕のステージ。
私たちは大空を目指して登り行く。
私は病んでこの世を去る。
主よ。私たちにあわれみを!
(トーマス・ナッシュ)